薬剤師国家試験 第110回 問180 過去問解説

 問 題     

分散系医薬品と製剤の種類(投与時)との組合せのうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。

 

 

 

 

 

正解.1, 4

 解 説     

選択肢 1 は妥当です。
ドキシルは、リポソームを用いた受動的ターゲティングを利用した製剤です。リポソームは脂質二重膜でできた 一層 ~ 多層のカプセル構造です。


選択肢 2 ですが

ネオーラル は、自己乳化型マイクロエマルジョン製剤です。「高分子ミセル」ではありません。選択肢 2 は誤りです。

ミセル 及び 単純な一層リポソームのイメージは、以下の通りです。

選択肢 3 ですが
リュープリンは、マイクロカプセル型製剤です。「多相エマルション」ではありません。選択肢 3 は誤りです。

「カプセル」は、一般的な成分内包型製剤です。カプセルの大きさによって、ナノカプセルやマイクロカプセルに分類されます。

「エマルション (乳剤)」は、互いに混ざらない2種の液体の一方が、微細な液滴として他方に分散しているもののことです。多相エマルションは、水滴の中に油滴、その油滴の中にさらに水滴といった構造のことです。w/o/w 型や、o/w/o 型などがあります。


選択肢 4 は妥当です。

フェジンは、水酸化第二鉄をショ糖 (スクロース) でコロイド化した製剤です。


選択肢 5 ですが

プロポフォールは、脂質乳剤です。

サスペンションとは、懸濁剤のことです。懸濁剤とは、分散媒が液体で、分散質が固体であるものです。代表例は泥水です。プロポフォールは、分散質が固体ではありません。従って 「サスペンション」ではありません。選択肢 5 は誤りです。


以上より、正解は 1,4 です。

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