薬剤師国家試験 第110回 問191 過去問解説

 問 題     

食道静脈瘤に関する記述として、正しいのはどれか。2 つ選べ。

  1. 肝硬変患者に好発する。
  2. 硝酸薬が危険因子である。
  3. 門脈圧の上昇がみられる。
  4. 典型的な症状に呑酸がある。
  5. 出血がなければ経過観察する。

 

 

 

 

 

正解.1, 3

 解 説     

選択肢 1,3 は妥当です。
肝硬変 → 門脈血流悪化 → 門脈を流れる血液の圧力である 門脈圧上昇周囲の 食道や胃の静脈に血液流入細い血管がコブのように広がる という流れです。


選択肢 2 ですが

硝酸薬が血管拡張作用を有するため「門脈を流れる血液圧力を低下」させることにより抑制因子として働きます。選択肢 2 は誤りです。


選択肢 4 ですが

呑酸は、胃酸が食道や口まで逆流してきて、酸っぱい液体が上がってくるような不快な症状のことです。主に逆流性食道炎の症状です。「食道静脈瘤」ではないと考えられます。選択肢 4 は誤りです。


選択肢 5 ですが

コブの大きさや肝機能の悪化度合いによってリスクが変わります。破裂リスクが高いものに対して、出血がなくても積極的に予防的治療が行われます。選択肢 5 は誤りです。


以上より、正解は 1,3 です。

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