薬剤師国家試験 第110回 問192 過去問解説

　問 題　　　　　

生薬とその主な副作用の組合せのうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。

• 生薬　　　　主な副作用

1. カンゾウ　　高カリウム血症
2. ダイオウ　　下痢
3. オウゴン　　腸間膜静脈硬化症
4. サンシシ　　胆汁うっ滞
5. マオウ　　　動悸

 

 

 

 

 

　解 説　　　　　

選択肢 1 ですが
カンゾウの副作用として注意すべきものは「高血圧」や「低カリウム血症」です。「高カリウム血症」ではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は妥当です。
大黄甘草湯が、腸の運動を活発にし便秘などに用いられることから、ダイオウが効きすぎると下痢になるとつながるといいかもしれません。

選択肢 3,4 ですが
オウゴンとサンシシが逆です。

山梔子 (さんしし) を含む漢方薬の長期間内服 (目安は 5 年以上) で、腸間膜静脈硬化症の発症リスクが高くなることが知られています。

腸間膜静脈硬化症は、大腸壁内から腸間膜の静脈に石灰化が生じ、静脈還流障害により腸管の慢性虚血性変化をきたす疾患です。静脈硬化性大腸炎とも呼ばれます。

オウゴンは、生薬を含む薬剤性肝障害の主な原因生薬として知られています。

選択肢 5 は妥当です。
マオウ含有成分エフェドリンの副作用として知られています。

以上より、正解は 2,5 です。

類題 109-209 (2 問セットなので、リンクは 109-208)
https://yaku-tik.com/yakugaku/109-208/