薬剤師国家試験 第110回 問193 過去問解説

 問 題     

症例対照研究の特徴として、正しいのはどれか。2 つ選べ。

  1. まれな疾患の研究には適していない。
  2. バイアスが生じやすい。
  3. 多数のアウトカムを扱うことができる。
  4. 後ろ向き研究である。
  5. 大きなサンプルサイズが必要である。

 

 

 

 

 

正解.2, 4

 解 説     

症例対照研究とは、ある疾病をもつ患者群ともたない患者群に対して、特定の要因への暴露状況を調査・比較することで要因と疾病の関連を評価する研究手法のことです。別名後ろ向き研究とも呼ばれます。


選択肢 1 ですが

今後いつ起きるかわからないまれな疾患の研究に対して、後ろ向き研究は適しています。選択肢 1 は誤りです。


選択肢 2 は妥当です。

「思い出しバイアス」が、生じやすい代表的バイアスです。「絶対さんまはここ 1 年食べてない!」と言っても、気づかずに弁当で何度も食べてた、とかありそうですよね。


選択肢 3 ですが

多数のアウトカムを扱うとは、治療や介入の効果を評価する際、単一の結果だけでなく、死亡率、再入院率、QOL(生活の質)、特定検査値の変化など、複数の「結果(アウトカム)」を同時に考慮・分析・評価することです。できないわけではないですが「症例対照研究の特徴」とはいえないと考えられます。選択肢 3 は誤りです。


選択肢 4 は妥当です。
症例対照研究の別名です。


選択肢 5 ですが

小さなサンプルサイズでも可能です。選択肢 5 は誤りです。


以上より、正解は 2,4 です。

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