薬剤師国家試験 第110回 問258-259 過去問解説

 問 題     

65 歳男性。最近、尿意を我慢できなくなってきたため、近くの泌尿器科を受診したところ、過活動膀胱と診断され、行動療法とともに以下の処方で治療を開始することとなった。

当薬局への来局は今回が初めてであったことから、お薬手帳の確認と聞き取りを行った。

患者からの聞き取りにて、眼科通院中で、お薬手帳に記載の点眼液を使用中であることを泌尿器科の処方医に伝えていなかったことが分かった。

問258

眼科において治療中と考えられる疾患として、最も可能性が高いのはどれか。1 つ選べ。

  1. 加齢黄斑変性
  2. 白内障
  3. 緑内障
  4. ぶどう膜炎
  5. 流行性角結膜炎

問259

前問で最も可能性が高い疾患を患者が治療中であることを眼科医に確認できたので、泌尿器科の医師に処方変更を提案することにした。

提案する薬物の作用機序として適切なのはどれか。1 つ選べ。

  1. アドレナリン α1 受容体刺激
  2. アドレナリン β3 受容体刺激
  3. アセチルコリン M3 受容体遮断
  4. アンドロゲン受容体遮断
  5. ミネラルコルチコイド受容体 (アルドステロン受容体) 遮断

 

 

 

 

 

正解.
問258:3
問259:2

 解 説     

問258

ラタノプロスト、ドルゾラミド 共に 眼圧を下げる薬です。
「緑内障」治療中と考えられます。


以上より、問 258 の正解は 3 です。

問259

過活動膀胱治療には、膀胱の収縮を抑える抗コリン薬や、膀胱の筋肉を緩める β3 刺激薬が用いられます。緑内障治療中なので、抗コリン薬を避けると β3 刺激薬が妥当と考えられます。そのため、作用機序は「アドレナリン β3 受容体刺激」です。


以上より、問 259 の正解は 2 です。

類題 108-343
https://yaku-tik.com/yakugaku/108-343/

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