薬剤師国家試験 第110回 問337 過去問解説

 問 題     

67 歳女性。身長 163 cm、体重 62 kg。乳がんの術後化学療法としてペルツズマブ、トラスツズマブ、ドセタキセルによる化学療法を施行している。

外来日の検査値の結果を踏まえ、医師はペグフィルグラスチム(遺伝子組換え)の投与を行った。また患者は即時入院となった。

この患者に使用する抗菌薬として適切なのはどれか。2 つ選べ。

(検査値)

体温 38.1℃、好中球数 450/μL、eGFR 72.5mL/min/1.73m2

  1. セフェピム
  2. エリスロマイシン
  3. メロペネム
  4. ミノサイクリン
  5. ダプトマイシン

 

 

 

 

 

正解.1, 3

 解 説     

化学療法 → 白血球減少 → 発熱 → ペグフィルグラスチム投与 という流れは 108-284285 でも既出です。

ペグフィルグラスチムは、がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制で用いられます。発熱性好中球減少症 (febrile neutropenia:FN) は、がん化学療法などの好中球を減少させる治療により『好中球が減少 かつ 発熱している状態』のことです。

FN では 緑膿菌活性のある抗菌薬投与を行います。具体的には、カルバペネム系抗菌薬 (メロペネム等) や、セフェム系薬のなかで最も幅広い抗菌スペクトルを有し、緑膿菌にも有効であるセフェピム などが用いられます。


以上より、正解は 1,3 です。


ちなみにですが

ダプトマイシンMRSA に用いられます。

類題 108-284285
https://yaku-tik.com/yakugaku/108-284/



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