問 題
薬物の経口投与時におけるバイオアベイラビリティを増加させるのはどれか。1つ選べ。
- 消化管内での溶解性の低下
- 小腸上皮細胞における膜透過性の低下
- 小腸上皮細胞における薬物代謝酵素の誘導
- 肝臓における薬物代謝酵素の阻害
- 肝臓における胆汁中排泄の促進
正解.4
解 説
選択肢 1 ですが
消化管内での溶解性が低下すると、溶けていない薬物はそのまま吸収されず体外へ排泄されると考えられます。すると、体内で利用される割合は下がるためバイオアベイラビリティは、低下します。よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
膜透過性が低下すると薬物が上皮細胞から吸収されず、そのまま体外へ排出されると考えられます。すると、体内で利用される割合は下がるためバイオアベイラビリティは、低下します。よって、選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
小腸上皮細胞において、薬物代謝酵素が誘導されると薬物は代謝をより受けることになります。小腸上皮細胞における薬物代謝により、血中への薬物移行は抑制されると考えられます。つまり、薬物代謝酵素が誘導されれば、より薬物が代謝され血中への薬物移行が減少します。すると、体内で利用される割合は下がるため、バイオアベイラビリティは低下します。よって、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 は、正しい記述です。
肝臓において代謝を受けなくなることで薬物がそのまま利用されます。つまり、バイオアベイラビリティが増加すると考えられます。
選択肢 5 ですが
薬物を胆汁中へ排泄するというのは、薬物を体外へ排出する一つの経路です。胆汁中排泄が促進すればそれだけ薬物が体外へ排出されるということなのでバイオアベイラビリティは、低下します。よって、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 4 です。
類題 99-173
参考 薬剤学まとめ 薬物の生物学的利用能
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