国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R5年 問90解説

 問 題     

三量体 GTP 結合タンパク質 (G タンパク質) に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。なお GPCR とは G タンパク質共役型受容体のことである。


㋐ GPCR は全て 7 回膜貫通型の構造をもっており、分子や光をシグナルとして受容する様々な種類がある。

㋑ GPCR は、シグナルを受容すると構造が変化し、それと結合する G タンパク質の GTP を GDP に加水分解させて、G タンパク質を活性化する。

㋒ 活性化された促進性 G タンパク質 (Gs) がアデニル酸シクラーゼを活性化すると、ATP からセカンドメッセンジャーである cAMP が合成される。

㋓ G タンパク質の中には、活性化すると細胞膜から離れて核内に移行し、特定の遺伝子の発現を直接調節するものがある。


1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋑、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

㋐ は妥当です。
G タンパク質共役型受容体は別名 7 回膜貫通型受容体と呼ばれます。

㋑ ですが
GDP が結合している時が不活性です。GDP が GTP に置き換わることで G タンパク質が活性化されます。㋑ は誤りです。

㋒ は妥当です。
Gs タンパク質についての記述です。

㋓ ですが
活性化 → 核内へ移行という流れは例えばインスリン受容体が知られています。しかし、本試験時点において G タンパク質の中には知られていないと考えられます。㋓ は誤りです。


以上より、正解は 2 です。

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