国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R5年 問88解説

 問 題     

ヒトの肝臓に関する次の記述の ㋐ ~ ㋓ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「肝臓は ㋐ を経由して消化管から送られてきた栄養素の代謝に重要な役割を果たしている。例えば、血糖値に応じてグルコースを ㋑ に変換して肝臓内に貯蔵したり、逆に ㋑ を分解して血中に放出したりする。また、アミノ酸やピルビン酸、乳酸などをグルコースに変換する糖新生も行う。また、㋒ や ㋓ などの血漿タンパク質を合成する。特に ㋒ は、血漿タンパク質の 50 ~ 70 % を占め、血漿膠質浸透圧の維持を担う。」

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

㋐ ですが
消化管から門脈を経由して肝臓に栄養素が送られてきます。㋐ は「門脈」です。正解は 3 ~ 5 です。

㋑ ですが
肝臓は、グルコースを「グリコーゲン」に変換して貯蔵します。㋑ は「グリコーゲン」です。正解は 4 or 5 です。これにより、㋒ は「アルブミン」とわかります。

㋓ ですが
フォン・ヴィレブランド因子(von Willebrand factor;VWF)は、血管損傷部位の初期血小板粘着、血小板凝集、凝固第 VIII 因子の安定化作用をもつ高分子の血漿糖タンパク質です。血管内皮細胞などで産生されます。肝臓での合成ではありません。㋓ は「プロトロンビン」です。


以上より、正解は 4 です。

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