国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R5年 問58解説

 問 題     

疫学研究に関する次の記述の㋐、㋑、㋒に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「調査開始時点では疾病に罹患していない人を対象として、要因に暴露されている人とされていない人に分け、将来に向かって長期間にわたり罹患情報を集め追跡調査を行う研究を ㋐ 研究という。この研究では、要因が発症に作用する強さを示す指標で、次の式で表される相対危険度が計算できる。

 

一方、既に疾病に罹患している患者群と、無作為に抽出された対照群を選び出し、ある要因に暴露されているかどうかを過去に振り返って情報を集め、調査する研究を ㋑ 研究という。この研究では、罹患率を求めることができないため、相対危険度が計算できない。そこで、母集団における疾病の発生率が極めて低い場合には、相対危険度に代わるものとしてオッズ比が用いられる。

表は、発生率の極めて低い疾病 D と、その関連が疑われる要因 F に関する ㋑ 研究の一例である。この結果から、オッズ比は ㋒ であると計算できる。」

 

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

㋐ ですが
将来に向かっての追跡調査なので「前向き研究」です。するとコホートが妥当です。正解は 1 or 2 です。㋑ が症例ー対照とわかります。

症例対照研究は、ある疾病をもつ患者群ともたない患者群に対して、特定の要因への暴露状況を調査・比較することで要因と疾病の関連を評価する研究手法のことです。別名後ろ向き研究とも呼ばれます。


㋒ ですが

オッズ比の求め方ですが、左上を a ,右上を b ,左下を c ,右下を d とした時、ad/bc です。たすきにとって、比をとると覚えるとよいかもしれません。(60 × 1800)/(400 × 20) = 27/2 = 13.5 です。


以上より、正解は 2 です。

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