国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R5年 問50解説

 問 題     

関節リウマチ治療薬に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。


㋐ アダリムマブは、ヒト IgG1 の Fc 領域に TNF‒α 受容体の細胞外ドメインを結合した組換えタンパク質であり、遊離 TNF‒α と結合して TNF‒α の作用を阻害する。

㋑ メトトレキサートは、シトシン‒リン酸デヒドロゲナーゼを阻害し、T 細胞の増殖を阻害する。

㋒ トファシチニブは、炎症性サイトカインによる刺激が細胞内に伝達されるときに必要なヤヌスキナーゼ (JAK) を阻害する。

㋓ タクロリムスは、IL‒2 などの産生を阻害し、T 細胞の反応性を抑制する。


1.㋐、㋑
2.㋐、㋓
3.㋑、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

㋐ ですが
アダリムマブは、ヒト型抗ヒトTNF-α モノクローナル抗体です。TNFα レセプターの一部を免疫グロブリンと融合させたのは「エタネルセプト」です。㋐ は誤りです。

㋑ ですが
メトトレキサートは、ジヒドロ葉酸レダクターゼ阻害薬です。シトシン‒リン酸デヒドロゲナーゼを阻害する薬ではありません。㋑ は誤りです。

㋒ は妥当です。
トファシチニブはヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬です。

㋓ は妥当です。
タクロリムスについての記述です。


以上より、正解は 5 です。

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