国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R5年 問37解説

 問 題     

純度が 96.0 wt % の硫黄を 100 kg・h-1 の質量流量で投入し、空気で燃焼する。このとき、反応器入口からは水も一緒に供給する。この出口ガスから H2SO4 と水を除去した生成ガスの分析結果は、SO2 が 17.0 mol %、O2 が 3.0 mol %、残りが N2 であった。このとき生成した SO2 の量として最も妥当なのはどれか。

ただし、空気の組成は O2 が 21.0 mol %、残りが N2 とする。また、供給されたS のうちの一部は SO3 にまで酸化され、水と反応して H2SO4 となり生成ガスの分析結果には表れない。なお、H,O,S の原子量はそれぞれ 1.0,16.0,32.0 とする。


1. 10.8 kg・h-1
2. 91.5 kg・h-1
3. 96.0 kg・h-1
4. 183 kg・h-1
5. 192 kg・h-1

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

投入されるのは、96kg/h の S です。
mol に直しておくと 96 ÷ 32 = 3mol/h の S が投入されます。

S + O2 → SO2 …(1) です。S 1mol から SO2 が 1 mol 生成されます。一部が SO3 まで酸化され、これは水と反応して硫酸として処理されています。


出口ガスの組成が
SO2 17%、O2 3%、N2 80% ということなので、ほぼ空気の組成 (O2 21%、N2 79%) における O2 が SO2 になっています。つまり、投入した ほとんどの S が (1) の反応で SO2 になり、反応分だけ 空気中の O2 が減少しているとわかります。

もしも投入された S が全て SO2 になると 3mol の SO2 が出来ます。この時 192 kg/h 生成されます。実際は、これよりわずかに少ない量とわかるので、選択肢を見れば 183 kg/h が妥当です。


以上より、正解は 4 です。

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