国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R5年 問36解説

 問 題     

放射線に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。

㋐ β 線は電子の流れであり、同じ放射線核種からは同じ決まったエネルギーで放射される。

㋑ γ 線は電磁波の一つであり、電荷をもたないため、外部から電場をかけてもその進路は変化しない。

㋒ 原子炉における減速材とは、高速中性子を減速して熱中性子とするための物質である。減速材には、軽水や重水のほか黒鉛などが用いられる。

㋓ 放射線の強さは、単位時間に崩壊する原子核の個数で表す。毎秒 1 個の原子核が崩壊するときの放射能を 1 シーベルト (単位記号 Sv) という。


1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋑、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

㋐ ですが
β 線のエネルギーは連続スペクトルです。従って「同じ決まったエネルギーで放出」ではありません。㋐ は誤りです。

㋑ は妥当です。
γ 線及び X 線は、質量と電荷をもたない電磁波の一種です。

㋒ は妥当です。
原子炉における減速材についての記述です。

㋓ ですが
単位時間に崩壊する個数を表す単位は「Bq (ベクレル)」です。シーベルト(Sv) は実効線量の単位です。実効線量とは「放射線の種類を考慮した」人体への被曝影響を評価した数値のことです。㋓ は誤りです。


以上より、正解は 3 です。

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