国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R5年 問28解説

 問 題     

イオン結晶における静電的相互作用に関する次の記述の ㋐、㋑、㋒ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「塩化ナトリウム (NaCl) について、静電的相互作用に基づくポテンシャルエネルギーの総和をイオン間の距離から考える。

結晶格子中の 1 個の Na+ を起点とし、このイオンから最も近い位置にあるイオンとの距離を r とする。このとき、最も近い位置にあるイオンは 6 個ある。起点となる Na+ から 2 番目に近い位置にあるイオンは ㋐ r 離れた位置にある 12 個のイオンであり、その次に近い位置にあるイオンは ㋑ r 離れた位置にある ㋒ 個のイオンである。

このように、イオン間の距離と、同じ距離にあるイオンの数を考慮していくと、Na+ が受ける静電的相互作用によるポテンシャルエネルギー U は、電気素量 e、真空の誘電率 ε0 を用いて

のように無限に続く級数で表される。なお、この式において電子雲や原子核同士の反発は考慮していない。」

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

Na+ の近接イオンの数と距離について、以下のようにまとめられます。

㋐ は √2、㋑ は√ 3、㋒ は 8 です。


以上より、正解は 2 です。

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