国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R4年 問99解説

 問 題     

種分化に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。

㋐ 異質倍数性も同質倍数性も種分化の原因となり得る。

㋑ ごく少数の遺伝子に起きた変化でも生殖的隔離を引き起こすことがある。

㋒ 種分化には地理的隔離が必須である。

㋓ 生殖的隔離が働くのは配偶子の接合後のみである。


1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋑、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

㋐ は妥当です。
1 種類のゲノムを複数持つ場合を同質倍数体といい、2 種類以上のゲノムで構成されている場合を異質倍数体といいます。倍数性は種分化の原因となり得ます。

㋑ は妥当です。
生殖的隔離とは、二つのグループの間で子孫ができないこと、遺伝子の交換が妨げられることです。

㋒ ですが
地理的隔離は必須ではありません。地理的な隔離を伴わない種分化は「同所的種分化」といいます。㋒ は誤りです。

㋓ ですが
配偶子の接合は交配の後です。交配前における交配前隔離も見られるため「配偶子の接合後のみ」ではありません。㋓ は誤りです。


以上より、正解は 1 です。

コメント