国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R4年 問87解説

 問 題     

健康なヒトに備わる概日リズム (サーカディアンリズム) は、外部からの光刺激により約 24 時間周期に調整されている。この概日リズムに関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ 網膜への光刺激は、網膜視床下部路を介して視交叉上核に入り、さらに交感神経を介して松果体に伝わる。

㋑ 松果体から血中に分泌されたメラトニンは、副腎皮質に直接作用して糖質コルチコイドの分泌量の日内変動を制御する。

㋒ メラトニンの分泌量は、光刺激のある昼間は少なく、反対に光刺激が失われる夜間は多くなる。

㋓ 常時暗黒条件下で生活すると、概日リズムの周期は徐々に短縮し、ヒトが本来備えているフリーランリズムである約 18 時間周期で安定することが予想される。


1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋐、㋒、㋓
4.㋑、㋒、㋓
5.㋑、㋓

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

㋐ は妥当です。
視交叉上核は、概日リズムの中枢です。

㋑ ですが
体内時計に関連して日内変動を示すホルモンの代表がメラトニンと、副腎皮質ホルモンであるコルチゾールです。両者の関連性は高いのですが「血中に分泌されたメラトニンが副腎皮質に直接作用して…分泌量…制御」ではありません。㋑ は誤りです。

㋒ は妥当です。
メラトニンの分泌量は、夜間多くなります。

㋓ ですが
ヒトが本来備えているフリーランリズムは、大体 25 時間です。そのため「約18 時間周期で安定」は妥当ではありません。㋓ は誤りです。


以上より、正解は 2 です。

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