国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R4年 問72解説

 問 題     

血流の調節に関する次の記述の ㋐、㋑、㋒ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「血管内皮細胞内における ㋐ イオンの濃度が上昇すると、内皮型一酸化窒素合成酵素 (eNOS) が活性化される。eNOS によりアルギニンが ㋑ に変換される反応に伴い、一酸化窒素がつくられる。一酸化窒素は近傍の平滑筋細胞へ拡散し、そこで ㋒ の合成を促進する。これが結果的に平滑筋を弛緩させ、血管が拡張し血流量が増大する。」

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

㋐ ですが
eNOS が活性化されるのは「カルシウム」イオン濃度上昇です。正解は 4 or 5 です。

㋑ ですが
アルギニンが「シトルリン」に変換される反応に伴い、NO が産生されます。知らなくても、アルギニンの側鎖の構造から NO が抜けて、アラニンにはならないと判断できるのではないでしょうか。これにより、㋒ は「cGMP」です。


以上より、正解は 5 です。

参考 一酸化窒素の生合成経路と生体内での役割
https://yaku-tik.com/yakugaku/sk-7-2-6/

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