国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R4年 問67解説

 問 題     

植物による鉄の利用に関する次の記述の ㋐、㋑、㋒ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「植物体内において、鉄はポルフィリン環に配位されてヘムを形成し、酸化還元反応や電子伝達反応、酸素運搬に関与する。ヘムタンパク質のうち、 ㋐ は酸素呼吸や光合成の過程における電子伝達系の構成成分である。また鉄は、 ㋑ の生合成を促進させる重要な役割を担う。

土壌中の Fe3+ は難溶性であるため、高等植物は機能性物質を根圏へ分泌し、これを可溶化させて吸収する。このような機能性物質としては、イネ科植物における ㋒ がよく知られている。」

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

㋐ ですが
酸素呼吸や光合成の過程における電子伝達系の構成成分なので「シトクロム」です。正解は 1 or 2 です。これにより、㋑ は「葉緑体」とわかります。

㋒ ですが
ムギネ酸についての記述です。ムギネ酸は、「麦の根から分泌される酸」が名前の由来であるアミノ酸の一種です。天然のキレート剤で、難溶性の三価鉄など 金属と結合して水に溶けやすくします。


以上より、正解は 2 です。

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