国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R4年 問63解説

 問 題     

ツバキ科常緑樹の若葉 (若芽) を加工した茶類に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ 緑茶は揉捻工程を伴う半発酵茶に分類され、通常、緑茶を粉末にすると抹茶になる。

㋑ 茶類の渋味はカテキン (タンニン)、旨味はグルタミン酸やテアニン、苦味はカフェインに由来する。

㋒ 烏龍茶と紅茶の飲料中のタンニン量を比較すると、烏龍茶の方が多い。これは途中で酸化反応を止めない烏龍茶の製法に起因する。

㋓ 同一茶葉から製造した茶類を比較した場合、製品 1 g 当たりにカフェインが最も多く含まれているのは紅茶である。


1.㋐、㋑
2.㋐、㋓
3.㋑
4.㋒
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

㋐ ですが
緑茶は「不発酵茶」に分類されます。半発酵茶の代表例は烏龍茶です。㋐ は誤りです。正解は 3 ~ 5 です。

ちなみに抹茶の原料は、緑茶ではなく碾茶 (てんちゃ) です。碾茶は 一般的緑茶とは違って、覆いをして育てた上で蒸して乾燥させます。また、緑茶と異なり、揉む「揉捻 (じゅうねん) 工程」はありません。


㋑ は妥当です。
茶類の味に関わる成分についての記述です。正解は 3 とわかります。これにより、㋒、㋓ は誤りです。


㋒ ですが
烏龍茶のタンニン量は、紅茶に比べ少ないです。㋒ は誤りです。

ちなみに
途中で酸化反応を止めないのは、発酵茶である「紅茶」です。


㋓ ですが
同一茶葉からであっても、発酵度合いだけでなく製造過程において違いが出るため、判断できないと考えられます。


以上より、正解は 3 です。

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