国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R4年 問48解説

 問 題     

トランスポーターを標的とした医薬品に関する記述 ㋐、㋑、㋒ のうち、妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ エゼチミブは、空腸のコレステロールトランスポーターを阻害してコレステロール吸収を抑制するが、グルクロン酸抱合を受けると阻害作用が減弱する。

㋑ イプラグリフロジンは、近位尿細管に存在する SGLT2 を阻害してグルコースの再吸収を抑制し、インスリンを介さずに血糖値を低下させる。

㋒ ベンズブロマロンは尿細管で尿酸トランスポーターを阻害し、尿酸の再吸収を抑制するとともに尿酸分泌も強く抑制する。


1.㋐
2.㋐、㋑
3.㋐、㋒
4.㋑
5.㋑、㋒

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

㋐ ですが
エゼチミブは、小腸コレステロールトランスポーター (NPC 1 L 1) 阻害薬です。小腸又は肝臓で初回通過効果を受け、活性代謝物であるグルクロン酸抱合体になります。「グルクロン酸抱合を受けると阻害作用が減弱」ではありません。㋐ は誤りです。

㋑ は妥当です。
SGLT2 阻害薬 イプラグリフロジンについての記述です。

㋒ ですが
ベンズブロマロンは、尿酸の尿細管における再吸収を特異的に抑制する薬です。尿細管分泌には影響しません。「分泌も強く抑制」ではありません。㋒ は誤りです。


以上より、正解は 4 です。

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