国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R4年 問27解説

 問 題     

イオン性界面活性剤であるドデシル硫酸ナトリウム (SDS) 水溶液の物理化学的性質は濃度によって変化し、特に臨界ミセル濃度 (CMC) 近傍で特徴ある変化を示す。

図 A ~ D は、横軸に SDS 濃度〔mol・m-3〕を、縦軸にモル伝導度〔S・m2・mol-1〕、伝導度 (高周波伝導度)〔S・m-1〕、界面張力〔N・m-1〕、浸透圧〔Pa〕のいずれかをとって、その SDS 濃度依存性を示したものである。これらの物理量と図の組合せとして最も妥当なのはどれか。

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

浸透圧が判断しやすいと思われます。

浸透圧は束一的性質の 1 つです。溶質分子の数が増えれば大きくなります。cmc 以前は濃度に比例します。cmc 以降濃度を高めても、ミセル形成に使われるため、溶質分子の数の増加は緩やかになります。従って、「cmc を境に上昇が緩やかになる 図 C」 が「浸透圧」です。これにより、界面張力は 図 D です。正解は 2 or 4 です。


イオン性界面活性剤水溶液のモル電気伝導率は、臨界ミセル濃度以上で急激に減少します。これは基礎知識と思われます。このため「図 B」がモル伝導度に対応します。選択肢 2 は誤りです。


以上より、正解は 4 です。

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