国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R4年 問21解説

 問 題     

溶液の性質に関する記述 ㋐、㋑、㋒ のうち、妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。ただし、溶質は不揮発性で、気相には存在できないものとし、水及びベンゼンの沸点、沸点におけるモル蒸発エンタルピー、モル質量は表のとおりである。

1.㋐
2.㋐,㋑
3.㋐,㋒
4.㋑,㋒
5.㋒

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

㋐ ですが
沸点上昇度 Kb は、沸点を Tb、標準蒸発エンタルピーを ΔH とすれば「Tb2/ΔH」に比例します。

水における沸点 373
水の沸点におけるモル蒸発エンタルピー 40.7 より
水について Tb2/ΔH = (373)2/40.7 …(1) です。

ベンゼンにおける沸点 353
沸点におけるモル蒸発エンタルピー 30.7 より
ベンゼンについて Tb2/ΔH = (353)2/30.7 …(2) です。

(2) の方が大きいので
ベンゼンの Kb の方が大きいとわかります。㋐ は誤りです。


㋑ ですが
束一的性質に「溶解度」は含まれません。㋑ は誤りです。

㋒ は妥当です。
溶解度に関するファントホッフの式についての記述です。


以上より、正解は 5 です。

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