国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R3年 問101解説

 問 題     

地球規模の炭素動態に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ 地球表面の炭素貯留量が大きいものから順に並べると、海洋 (海洋表層と海洋生物)、陸域 (植生と土壌)、大気となる。

㋑ 陸域に貯留されている炭素のうち、土壌中に存在する量は植生中に存在する量より多い。

㋒ 20 世紀末から現在までの二酸化炭素の年間排出量の平均値は、化石燃料に由来するものが、森林減少に由来するものの 100 倍以上にのぼっている。

㋓ 20 世紀末から現在までの大気中の二酸化炭素濃度の年平均値の推移をみると年々増加しており、過去 1000 年間の中で最も高い水準となっている。


1.㋐、㋑
2.㋐、㋑、㋒
3.㋐、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

㋐ ですが
海洋は「海洋表層」つまり、海底 200 m ぐらいまで と、海洋生物となっています。海洋において炭素貯留量の大部分は中深層です。中深層を除くと、最も大きくはないと考えられます。㋐ は誤りです。

㋑ は妥当です。
陸域に貯留されている炭素についての記述です。

㋒ ですが
森林減少による CO2 排出量は、グローバルな化石燃料の使用による CO2 排出量の 10 分の 1 強です。化石燃料由来が 10 倍弱ということです。「100 倍以上」ではありません。㋒ は誤りです。

㋓ は妥当です。
大気中の CO2 濃度についての記述です。


以上より、正解は 4 です。

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