国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R3年 問96解説

 問 題     

自殖性植物に関する次の記述の ㋐、㋑ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「ある 2 倍体植物の花の色は一つの遺伝子で決まり、赤色 (A) が優性、白色 (a) が劣性である。初めに、赤色の花をもつ純系の個体と白色の花をもつ純系の個体を交配して F1 を得た。次に、この F1 集団を自殖して F2 集団を得た。この F2 集団の全ての個体を自殖して得た F3 集団の遺伝子型の比率は AA:Aa:aa = ㋐ である。

また、F2 集団からあらかじめ白色の花をもつ個体を全て除いた後、残った全ての個体を自殖して得た F3 集団の遺伝子型の比率は AA:Aa:aa = ㋑ である。」

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

・共に純系の 赤色 AA と 白色 aa から
F1 赤色 Aa を得ています。

・F1 の自殖、つまり Aa × Aa の交配により
それぞれから配偶子が A or a ができるので

上の表の組み合わせの結果
F2 として、AA:Aa:aa = 1 : 2 : 1 の比率で F2 集団を得ます


・F2 の自殖により AA × AA は全て AA、aa × aa は全て aa となります。Aa × Aa は 1 : 2 : 1 となります。

F3 は比ではなく、具体的に考えた方がわかりやすいと思われます。例えば、F2 集団全体が 400 あったとします。AA 100、Aa 200、aa 100 個体です。

自殖により
AA 100 → AA 100
Aa 200 → AA 50、Aa 100、aa 50
aa 100 → aa 100 となります。

まとめると
AA が 150、Aa が 100、aa が 150 なので
150:100 :150 = 3:2:3 です。正解は 2 or 3 です。


㋑ ですが
F2 集団から 白色、つまり aa を除くので
AA 100、Aa 200 個体です。

自殖により
AA 100 → AA 100
Aa 200 → AA 50、Aa 100、aa 50 となります。

まとめると
AA が 150、Aa が 100、aa が 50 なので
150:100 :50 = 3:2:1 です。


以上より、正解は 2 です。

類題 R1 no95 表現型 A~F の個体数の組合せ
https://yaku-tik.com/yakugaku/km-r1-95/

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