国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R3年 問87解説

 問 題     

ヒトの甲状腺ホルモン及びその関連疾患に関する記述 ㋐ ~ ㋔ のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。

㋐ 甲状腺ホルモンの一つであるトリヨードサイロニン (トリヨードチロニン:T3) は、標的臓器でヨウ素化を受けてサイロキシン (チロキシン:T4) に変換され、作用を発揮する。

㋑ 甲状腺ホルモンは、熱産生を増大させる作用を有する。

㋒ 甲状腺ホルモンは、Na+/K+‒ATP ase の活性を増大させる作用を有する。

㋓ 甲状腺ホルモンは、心筋細胞において β アドレナリン受容体を誘導し、頻脈を引き起こす作用を有する。

㋔ アジソン病は、甲状腺を刺激する自己抗体の産生により引き起こされる自己免疫疾患である。


1.㋐、㋑、㋒
2.㋐、㋑、㋔
3.㋐、㋓、㋔
4.㋑、㋒、㋓
5.㋒、㋓、㋔

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

㋐ ですが
T4 ホルモンが、標的臓器で「脱ヨウ素化」されて T3 ホルモンに変換されて作用を示します。「標的臓器でヨウ素化を受けて」ではありません。㋐ は誤りです。正解は 4 or 5 です。 ㋑、㋒ は妥当とわかります。

㋓ は妥当です。
甲状腺ホルモンは頻脈を引き起こす作用を有します。

㋔ ですが
アジソン病は、副腎皮質機能の低下により、副腎ホルモンが不足する病気です。記述はバセドウ病についてです。㋔ は誤りです。


以上より、正解は 4 です。

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