国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R3年 問85解説

 問 題     

脊椎動物の眼の発生過程は組織どうしの相互作用を理解するモデルとして長年研究されており、近年ではヒト再生医療にも応用されている。脊椎動物の眼の形成に関する次の記述の ㋐ ~ ㋔ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「㋐ の前方側の一部が左右に膨らんで眼胞が形成され、眼胞の先端が 凹 み、眼杯が生じる。眼杯に接する ㋑ からはレンズ(水晶体)が誘導される。その後、レンズと接する ㋑ から ㋒ が誘導され、眼杯はやがて ㋓ に分化する。眼杯やレンズのように、誘導の働きをもつ特定の領域を ㋔ と呼ぶ。」

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

【眼形成の基礎知識】
・外胚葉の原口背唇部 → 神経板 → 神経管
・神経管の突起 → 眼胞 → 眼杯 → 水晶体 → 網膜と角膜 
という流れで連鎖的に誘導が行われていく というのが基礎知識です。


㋐ ですが
「眼胞」の前段階なので「神経外胚葉」です。㋑ は「表皮外胚葉」とわかります。

㋒、㋓ は
レンズと接して誘導されるのが「角膜」です。眼杯がやがて分化するのは「網膜」です。

㋔ ですが
誘導の働きをもつ特定の領域を「形成体」と呼びます。オーガナイザーと呼ぶこともあります。


以上より、正解は 1 です。

コメント