国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R3年 問66解説

 問 題     

重金属や放射性物質による農地の土壌汚染に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。

㋐ 「農用地の土壌の汚染防止等に関する法律」では、カドミウム、銅、鉛及びこれらの化合物が、特定有害物質として指定されている。

㋑ 我が国では、コメ中のカドミウム濃度を低減させる対策として、湛水管理に併せ、アルカリ性肥料の投入により土壌中のカドミウムを不溶化し作物吸収を抑制する技術が利用されている。

㋒ ファイトレメディエーションは、汚染された土壌を酸やキレート剤で処理し、含まれている有害物質を取り除く方法である。

㋓ 我が国では、放射性セシウムによる土壌汚染への対策として、表土の削り取り等の物理的方法や適正なカリウム施肥により、放射性セシウムの作物吸収を抑制する方法が利用されている。


1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋑、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

㋐ ですが
特定有害物質としてカドミウム、銅及びヒ素が規定されています。「鉛」は含まれていません。㋐ は誤りです。

㋑ は妥当です。
コメ中のカドミウム濃度低減についての記述です。

㋒ ですが
ファイトレメディエーションとは、植物に土壌に含まれる有害物質、特に有害元素を吸収させ、土壌から除去することです。「汚染された土壌を酸やキレート剤で処理」ではありません。㋒ は誤りです。

㋓ は妥当です。
放射性セシウムによる土壌汚染への対策についての記述です。


以上より、正解は 4 です。

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