国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R3年 問63解説

 問 題     

複合多糖であるペクチンに関する次の記述の ㋐、㋑、㋒ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「ペクチンは、かんきつ類のような果物や野菜、穀類等の植物性食品に広く分布している。基本成分は、D ‒ ガラクツロン酸が ㋐ 結合により直鎖状に結合したもので、そのカルボキシ基がエステル化されていないものを ㋑ という。さらに、そのカルボキシ基の一部がメチルエステル化しているものをメトキシペクチンという。

エステル化度が ㋒ 以上のものは高メトキシペクチンと呼ばれ、pH = 3 付近で高濃度の糖を加えて加熱するとゲル化するので、この性質を利用して果物のジャムやマーマレードが作られている。」

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

複合多糖は、2 種以上の単糖からなる多糖です。

㋐ ですが
ペクチンは、ガラクツロン酸 が α – 1,4- 結合したポリガラクツロン酸が主成分です。㋐ は「α – 1,4」が妥当です。正解は 1 or 2 です。

ちなみに、ガラクツロン酸は
ガラクトースが酸化したウロン酸です。

ウロン酸は
単糖の主鎖末端 OH 基が COOH 基に変換されたカルボン酸の総称です。


㋑ ですが
ガラクツロン酸のカルボキシル基がメチルエステル 化されたものをペクチン、メチルエステル化されていないものをペクチン酸といいます。㋑ は「ペクチン酸」です。これにより、㋒ は「50%」とわかります。


以上より、正解は 1 です。

参考 代表的な多糖
https://yaku-tik.com/yakugaku/sk-4-2-3/

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