国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R3年 問27解説

 問 題     

水面上で界面活性物質が形成した単分子膜が更に広がろうとして呈する圧力を表面圧と呼ぶ。表面圧 π は水の表面張力 γwと単分子膜の表面張力 γm の差で表される。π = γw – γm

図Ⅰのような,薄板 (Wilhelmy プレート) が表面張力により下方に引かれる力を測定する表面圧測定装置を用いて,温度一定で界面活性物質を水面に展開して形成させた単分子膜面積を種々に変えて表面圧を測定した。界面活性物質として

A:16‒メチルヘプタデカン酸
B:オクタデカン酸
C:リン酸トリス (4‒メチルフェニル)

を用いた場合の表面圧と1 分子当たりの面積の関係を図Ⅱに示す。

図Ⅱ中の曲線 ㋐,㋑,㋒ と界面活性物質 A,B,C の組合せとして最も妥当なのはどれか。

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

A,B は、わずかに枝分かれのメチル基があるかどうかの違いです。そのため、曲線は似たようなものになると考えられます。㋐、㋑ が A,B のどちらかにそれぞれ対応すると考えられるため、㋐、㋑ に C が含まれる 選択肢 2,4,5 は誤りと考えられます。

そして、よりまっすぐな分子が単分子膜として並んだ方が、1 分子あたりの面積は小さくなると考えられるため、より左側に直線が描かれている ㋐ と対応するのが B のオクタデカン酸と推測されます。㋐ が A である 選択肢 1 は誤りです。


以上より、正解は 3 です。

類題 R1no27 表面張力
https://yaku-tik.com/yakugaku/km-r1-27/

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