問 題
47 歳男性。体重 62 kg。20 年以上前から習慣として毎日ビール (1 缶 500 mL) を 3 缶飲んでいた。腹部膨満感、嘔吐、四肢の浮腫、左足親指の関節痛を訴えて受診したところ、アルコールの過剰摂取による肝硬変及び痛風と診断され、以下の処方 1、2、3 により治療中である。
治療開始から 2 週間目に、薬局の薬剤師が服薬状況の確認のために電話をしたところ、患者から「発熱があり、眼が充血して両下肢にじん麻疹ができている」という訴えがあった。
薬局の薬剤師は、すぐに主治医への受診を勧め、その後入院加療となった。
入院精査の結果、アロプリノールによるアレルギー反応と疑われ、アロプリノールの使用は中止となった。入院中、この患者への対応として適切でないのはどれか。1 つ選べ。
- スピロノラクトン錠をトルバプタン錠に変更
- ベンズブロマロン錠の追加
- フェブキソスタット錠の追加
- ベタメタゾン点眼液の追加
- オロパタジン塩酸塩錠の追加
正解.2
解 説
選択肢 1 は適切な対応です。
トルバプタン (サムスカ) は、非ペプチド性バソプレシン受容体拮抗薬です。V2 受容体遮断薬で、利尿作用を示します。肝硬変に伴う低アルブミン環境下でも効果を十分発揮することから、ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な肝硬変における体液貯留に用いられます。
選択肢 2 ですが
ベンズブロマロンの代表的な副作用として、劇症肝炎があります。これをふまえ、本症例は肝硬変患者なので、ベンズブロマロンの使用は避けるべきです。選択肢 2 は適切ではありません。
選択肢 3 は適切な対応です。
フェブキソスタットは、キサンチンオキシダーゼ(XO)阻害薬です。アロプリノール使用中止のため、痛風治療薬剤追加が妥当です。
選択肢 4,5 は適切な対応です。
眼の充血、じん麻疹といったアレルギー症状への対応です。
以上より、問 345 の正解は 2 です。
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