薬剤師国家試験 第109回 問320-321 過去問解説

 問 題     

男性がかぜ症状を訴えて来局した。この薬局の薬剤師は男性の症状、既往歴、アレルギー歴、併用薬などを確認し、ある一般用医薬品を選択して男性に勧め、選択した医薬品に含まれる成分の効能を説明した。

なお、選択した医薬品は指定第 2 類医薬品であり、濫用等のおそれのある医薬品に該当する。

<選択した一般用医薬品に含まれる成分>

  • アセトアミノフェン
  • アンブロキソール塩酸塩
  • L – カルボシステイン
  • ジヒドロコデインリン酸塩
  • クロルフェニラミンマレイン酸塩
  • リボフラビン (ビタミン B2)

問320

この薬の有効成分に関する説明として、適切なのはどれか。2 つ選べ。

  1. アセトアミノフェンは、発熱、頭痛、喉の痛み等、熱と痛みを鎮めます。
  2. アンブロキソール塩酸塩は、咳の原因となる喉にからまるしつこい痰を出しやすくします。
  3. L-カルボシステインは、咳中枢に働き、咳を鎮めます。
  4. ジヒドロコデインリン酸塩は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりの症状を抑えます。
  5. リボフラビンは、気道粘液・粘膜を正常な状態に近づけます。

問321

選択した医薬品の取扱いとして、適切なのはどれか。2 つ選べ。

  1. 購入者の運転免許証等の身分証の提示があれば、数量の制限なく販売できる。
  2. 使用について専門家への相談を促す声かけや掲示等を行う必要がある。
  3. 使用者本人以外に販売することはできない。
  4. 購入者が高校生や中学生等の若年者である場合、氏名及び年齢等を確認する必要がある。
  5. 購入者から質問がなかった場合も、書面を用いて情報提供を行わなければならない。

 

 

 

 

 

正解.
問320:1, 2
問321:2, 4

 解 説     

問320

ドラッグストア併設型薬局での実習を思い出すなどして、しっかり 2 点稼いでほしい問題です。


選択肢 1 は妥当です。

アセトアミノフェンは解熱鎮痛作用を有します。※抗炎症作用はほとんどない、という点もおさえておきましょう。

選択肢 2 は妥当です。
アンブロキソールは、ブロムヘキシンの活性代謝物であり、肺サーファクタントの分泌を促進させます。痰の排出を促します。

選択肢 3 ですが
カルボシステインの作用は去痰です。鎮咳ではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
ジヒドロコデインリン酸の作用は 鎮咳です。くしゃみ等の症状改善ではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
リボフラビンはビタミン B2 です。記述はカルボシステインについてと考えられます。選択肢 5 は誤りです。


以上より、問 320 の正解は 1,2 です。

問321

選択肢 1 ですが
濫用等のおそれのある医薬品に該当するため、個数制限があります。原則一人あたり一個包装までです。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は妥当です。
指定第 2 類医薬品についての記述です。

選択肢 3 ですが
本人以外への販売も可能です。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当です。
濫用等のおそれのある医薬品に該当するため、若年者である場合、氏名及び年齢を確認します。

選択肢 5 ですが
書面を用いた情報提供が義務であるということはありません。選択肢 5 は誤りです。


以上より、問 321 の正解は 2,4 です。

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