問 題
6 歳女児。体重 20 kg。5 日前より咳嗽の症状があり、夜間に 37.5 ℃ 程度の微熱が続いていた。市販の解熱剤と咳止め用シロップ剤などを服用させて様子を見ていたが、3 日前から夜になると咳が止まらなくなり、本日、38.0 ℃ まで熱が上がったため、近医を受診した。
診察及び検査の結果、以下の薬剤が処方され、患児の母親が処方箋を持って薬局を訪れた。
問282
薬剤師が患児の母親に、処方薬剤の使用方法について説明した。その説明内容として、適切なのはどれか。2 つ選べ。
- 処方 1 の薬剤は、オレンジジュースに混ぜると服用しやすくなります。
- 処方 1 と 2 の薬剤は、混ぜると服用しやすくなります。
- 処方 3 の薬剤は、お子さんが剥がしてしまう場合、背中の手の届きにくい場所に貼付してください。
- 処方 3 の薬剤は、起床時に咳が治まっていれば、剥がしてください。
- 処方 4 の薬剤は、4 ～ 6 時間以上の間隔をあけて服用してください。
問283
患児の母親への服薬指導にあたって、事前に処方 3 のツロブテロールテープ剤に関する医薬品情報を調べたところ、有効成分及び製剤に関して、以下の情報が得られた。
上記の情報に基づいて、本製剤を患児に単回貼付して 24 時間後に剥離した場合の血清中薬物濃度の時間推移のパターンを予測したグラフとして、最も適切なのはどれか。1 つ選べ。
なお、小児 (喘息児 5 名) にツロブテロールドライシロップ剤 20 mg/kg (ツロブテロール塩酸塩として 0.02 mg/kg) を経口投与した場合の体内半減期は、インタビューフォームから 3.56 時間であった。
正解．
問282：3, 5
問283：2
解 説
問282
選択肢 1,2 ですが
アジスロマイシンは酸性の飲食物 (オレンジジュース、スポーツ飲料、乳酸飲料など) に混ぜるとコーティングがはがれ、苦みを直接感じてしまいます。オレンジジュースに混ぜたり、カルボシステインシロップに混ぜると服用しづらくなります。選択肢 1,2 は誤りです。
選択肢 3 は妥当です。
ツロブテロールテープは、胸、上腕、背中のどこかに貼って使用します。
選択肢 4 ですが
起床時に咳がおさまっていても、効果が持続するようにつけ続けてもらいます。選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 は妥当です。
アセトアミノフェン細粒に関する記述です。
以上より、問 282 の正解は 3,5 です。
問283
半減期が 3.56 時間なので、剥離してから 4 時間で 血中濃度が 1/3 程度になっている選択肢 1,3,5 は誤りと考えられます。また、選択肢 4 では 12 時間経った時の不自然な増加が説明できません。
以上より、問 283 の正解は 2 です。
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