薬剤師国家試験 第109回 問114 過去問解説

 問 題     

ケトン体に関する記述として、正しいのはどれか。2 つ選べ。

  1. アセチル CoA とマロニル CoA から産生される。
  2. グルコースに代わるエネルギー源となる。
  3. 3 – ヒドロキシ酪酸、α – ケトグルタル酸及びアセト酢酸の 3 つの分子を指す。
  4. 主に肝臓で作られて、血流を介して各組織に運ばれる。
  5. 細胞に取り込まれて糖新生の原料となる。

 

 

 

 

 

正解.2, 4

 解 説     

【ケトン体の基礎知識】
ケトン体は、脂肪酸代謝過程で生じる化合物の総称で、具体的にはアセト酢酸、3 – ヒドロキシ酪酸、アセトンの総称という理解で OK です。

選択肢 1 ですが
ケトン体は「アセチル CoA」から産生されます。アセチルCoA の末端にさらに COOH が伸びたのが マロニル CoA です。マロニル CoA から産生されるわけではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は妥当です。
通常、脳のエネルギー源はグルコースですが、絶食などにより肝臓のグリコーゲンが枯渇すると、肝臓でアセチル CoA から合成されるケトン体も利用されるようになる、という流れが一例です。

選択肢 3 ですが
α ー ケトグルタル酸ではありません。αーケトグルタル酸が「アセトン」であれば、正しい選択肢ですが、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当です。
各組織の一例が脳です。

選択肢 5 ですが
糖新生は、グルコース補給不足の環境において、肝臓のグリコーゲン貯蔵もなくなった時などに、乳酸、アミノ酸、オキサロ酢酸といった糖質以外からグルコースを合成することです。ケトン体が糖新生の原料になるわけではありません。選択肢 5 は誤りです。


以上より、正解は 2,4 です。

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