薬剤師国家試験 第109回 問113 過去問解説

 問 題     

骨組織及び骨代謝に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。

  1. 骨芽細胞は造血幹細胞に由来し、骨基質を分解する。
  2. 破骨細胞は、アルカリホスファターゼを分泌する。
  3. 副甲状腺ホルモンは、血漿中の Ca2濃度を上昇させる。
  4. カルシトニンは甲状腺ろ胞細胞から分泌され、骨吸収を亢進する。
  5. 活性型ビタミン D3 は、消化管からの Ca2吸収を促進する。

 

 

 

 

 

正解.3, 5

 解 説     

選択肢 3,5 を確実に正しいと判断したい問題です。


選択肢 1 ですが

骨基質を「分解」するのは破骨細胞です。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
アルカリホスファターゼを多量に含有し、分泌するのは「骨芽細胞」です。ちなみに破骨細胞は「酸性」ホスファターゼを分泌します。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は妥当です。
副甲状腺ホルモンは、血中 カルシウム濃度 を上昇させる方向に作用します。

選択肢 4 ですが
カルシトニンは甲状腺「傍ろ胞」細胞から分泌されます。甲状腺「ろ胞」細胞ではありません。また、カルシトニンは骨吸収を「抑制」し、血中 カルシウム濃度を下降させる方向に作用します。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は妥当です。
活性型ビタミン D3 は、消化管からの カルシウム吸収を促進し、血中カルシウム濃度を上昇させる方向に作用します。


以上より、正解は 3,5 です。

コメント