問 題
37 歳女性。以前より右乳房のしこりが気になっていたが、今回職場の検診で改めて指摘され来院した。来院時の身体所見及び検査所見は以下のとおりである。
(身体所見及び検査所見)
身長 165 cm、体重 56 kg、体表面積 1.61 m2。乳頭からの分泌物は無く、月経周期や全血球計算並びに各種生化学検査値に異常なし。マンモグラフィで放射状陰影や不整形腫瘤を認め、穿刺吸引細胞診にて浸潤がん細胞を確認した。また、病理組織検査の結果、エストロゲン受容体陽性、プロゲステロン受容体陰性及び HER2 陰性と判定された。
以上の検査結果から、乳房温存摘除術を施行後、化学療法を組合せた内分泌療法を施行することとなった。
この患者に対する薬物療法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。
- 不正出血などの症状を認めた際には直ちに医師や薬剤師に相談するよう患者に指導する。
- 遅発性嘔吐を予防するため、パロノセトロン塩酸塩注射液をプレガバリン口腔内崩壊錠に変更する。
- 心筋障害を予防するため、注射用エピルビシン塩酸塩注射用投与 24 時間以上前にフィルグラスチム (遺伝子組換え) 注射液を投与する。
- 出血性膀胱炎を予防するため、シクロホスファミド水和物注射用投与の当日にメスナを投与する。
- フルオロウラシル注射液による汎血球減少症を予防するため、アズレンスルホン酸ナトリウム水和物・L – グルタミン顆粒を投与する。
正解.1, 4
解 説
選択肢 1 は妥当です。
選択肢 2 ですが
プレガバリンでは、遅発性嘔吐予防になりません。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
フィルグラスチムは、好中球減少症に対しての予防に用いられます。選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 は妥当です。
選択肢 5 ですが
この目的で、フィルグラスチムであればありえると考えられます。選択肢 5 は誤りです。
以上より、問 341 の正解は 1,4 です。
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