薬剤師国家試験 第108回 問230-231 過去問解説

 問 題     

28 歳男性。勤務先のメッキ工場で、ビンに小分けしてあった液体を誤って飲用した。その直後に苦しがったため、近くにいた同僚が救急車を要請し、救急搬送された。

来院時、頭痛、悪心、嘔吐及び頻脈を認めた。胃洗浄時に採取した胃内容物をシェーンバイン法により検査したところ、グアヤク試験紙が青色へ変化した。

問230

この患者が摂取したと疑われる物質はどれか。1 つ選べ。

  1. ヒ素
  2. トルエン
  3. ジクロルボス
  4. シアン化カリウム
  5. n – ヘキサン

問231

この患者に用いる解毒剤として適切なのはどれか。2 つ選べ。

  1. プラリドキシムヨウ化メチル (PAM)
  2. 硫酸アトロピン
  3. ヒドロキソコバラミン
  4. 亜硝酸アミル
  5. ジメルカプロール

 

 

 

 

 

正解.
問230:4
問231:3, 4

 解 説     

問230

シェーンバイン法ときたので、シアン化合物です。(参考 分析化学まとめ 代表的な中毒原因物質)。

以上より、問 230 の正解は 4 です。

問231

選択肢 1 ですが
プラリドキシムヨウ化メチル(PAM)は、有機リン剤に用いる解毒剤です。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
カルバリン急性中毒に用いる解毒剤です。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3,4 は妥当です。

選択肢 5 ですが
ジメルカプロールは、重金属中毒に用いる解毒剤です。選択肢 5 は誤りです。

以上より、問 231 の正解は 3,4 です。

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