薬剤師国家試験 第108回 問142 過去問解説

 問 題     

薬剤師法が定める薬剤師の業務に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 薬剤師は、調剤の求めがあった場合、薬局開設者の許可があれば調剤を断ることができる。
  2. 薬剤師でない者は、原則、販売又は授与の目的で調剤できない。
  3. 薬剤師は、正当な理由があると認める場合には、薬剤師の判断で、処方箋に記載された医薬品の用法・用量を変更して調剤することができる。
  4. 薬剤師は、調剤した薬剤の適正な使用のため必要があると認める場合、患者の薬剤の使用状況を継続的かつ的確に把握し、必要な指導等を行わなければならない。
  5. 薬剤師は、処方箋が調剤済みになった場合には、速やかに処方箋を破棄しなければならない。

 

 

 

 

 

正解.2, 4

 解 説     

選択肢 1 ですが
調剤に従事する薬剤師は、調剤の求めがあった場合には、正当な理由がなければ、調剤を断ってはならないです。薬剤師法第 21 条 調剤応需義務についてです。そして「薬局開設者の許可」は、正当な理由ではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は妥当です。
調剤業務は、薬剤師の独占業務です。

選択肢 3 ですが
薬剤師は、処方箋中に薬学的に見て疑わしい点がなければそのまま調剤します。疑わしい点がある場合は処方した医師等に確認し、確かめた後でなければ調剤してはいけません。薬剤師の判断で、用法・用量を変更して調剤はできません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当です。
薬学的管理、指導についての記述です。

選択肢 5 ですが
調剤済みになった処方箋の保管義務は3年間です。また、保険請求の時効との兼ね合いから、実務上は5年間保存されることが多いと思われます。速やかに破棄してはいけません。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2,4 です。

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