問 題
粉体の流動性を改善するために、大きくすべき物性値はどれか。1つ選べ。
- かさ比容積
- 安息角
- かさ密度
- 内部摩擦係数
- 空隙率
解 説
「粒子径が小さくなるほど、凝集性が大きくなるため、空隙率が大きくなります」というのが基礎知識です。(102-52)。この時、凝集性が大きくなっているのだから、流動性が落ちています。
つまり、流動性改善のためには、逆に
・粒子径 大きくする
・凝集性 小さくする
・空隙率 小さくする と考えられます。
まず、選択肢 5 の空隙率は、流動性を改善するために「小さくすべき」です。誤りとわかります。その他については、用語の意味から推測していきます。
選択肢 1 ですが
(かさ)比容積とは、1g で、どれだけの体積か という値です。流動性がいいと、空隙率が小さくなるのだから、ぎゅっとつまるイメージで、同じ 1g の時に体積は小さくなります。つまり、流動性改善のために、比容積は小さくすべきです。選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
安息角とは、粉体を静かに落下させた時に円すい形に堆積した時の、円すいの母線と水平面のなす角です。安息角が大きい時、粉体はさらさらしていないと想像できると思われます。つまり、流動性を改善するために、安息角は「小さくすべき」です。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 は妥当です。
かさ密度は、「粉の重さ」÷「タッピング(容器をトントン)した後の体積」で求めます。これは基礎知識です。(100-176)。かさ密度が大きいためには、タッピングした後の体積が小さい方がいい、ということです。これは空隙率で言えば小さいということです。つまり、流動性改善のために、空隙率小さくすべき → かさ密度大きくすべき という流れです。
選択肢 4 ですが
摩擦係数が大きいと、摩擦力が大きくなるので、これは流動性が悪くなると考えられます。選択肢 4 は誤りです。
以上より、正解は 3 です。
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