薬剤師国家試験 第107回 問132 過去問解説

 問 題     

農薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. フェニトロチオンは、シトクロム P450 による酸化的脱硫反応により代謝的活性化を受けてアセチルコリンエステラーゼを阻害する。
  2. メソミルは、アセチルコリンエステラーゼの活性中心を可逆的にカルバモイル化する。
  3. パラコートは、神経の電位依存性 Naチャネルに作用する。
  4. アセタミプリドは、1電子還元されてラジカルを生成し、スーパーオキシドアニオンを生じる。
  5. フェノトリンは、ニコチン性アセチルコリン受容体に結合し、神経を興奮させる。

 

 

 

 

 

正解.1, 2

 解 説     

選択肢 1 は妥当です。
フェニトロチオンは、有機リン、有機硫黄系殺虫剤の一種です。商品名 スミチオンです。

選択肢 2 は妥当です。
メソミルは、カルバメート系農薬です。(参考 101-237 選択肢4)。

選択肢 3 ですが
パラコートは、活性酸素種の産生を介して肺毒性等を発現します。(参考 100-132 選択肢 3 解説)。神経の電位依存性 Naチャネルに作用するわけではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
アセタミプリドは、ネオニコチノイド系殺虫剤です。ニコチン性アセチルコリン受容体に結合し、神経を興奮させます。ラジカル生成ではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
フェノトリンは、ピレスロイド系化合物です。商品名 スミスリンが知られています。神経の電位依存性 Naチャネルに作用します。ニコチン性アセチルコリン受容体に結合ではありません。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1,2 です。

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