薬剤師国家試験 第101回 問224-225 過去問解説

 問 題     

65歳女性。以下の処方箋をもって保険薬局を訪れた。

問224

この患者に対する薬剤師の指導として正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. よく噛めば、水なしで服用しても構いません。
  2. 症状を悪化させないために、毎日無理のない軽い運動を心がけてください。
  3. 日常生活において、乳製品や緑黄色野菜をとるように心がけてください。
  4. 起床時に飲み忘れたら、就寝時に服用してください。

問225

骨代謝に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 骨芽細胞は、コラーゲンを細胞外へ分泌する。
  2. 骨細胞は未分化細胞であり、増殖能を有する。
  3. 破骨細胞は、アルカリ性ホスファターゼを細胞外へ分泌する。
  4. 副甲状腺(上皮小体)ホルモンは、破骨細胞の働きを減弱させる。
  5. 1α,25-ジヒドロキシビタミンD3(活性型ビタミンD3)は、小腸からのCa2+の吸収を促進する。

 

 

 

 

 

正解.
問224:2, 3
問225:1, 5

 解 説     

問224

選択肢 1 ですが
アレンドロン酸は、ビスホスホネート製剤です。破骨細胞の活性を抑制することにより骨吸収を抑制します。使用上の注意として、食道などに付着したままだと局所刺激症状をおこすおそれがある点があります。そのため、コップ1杯程度の多めの水での服用を指導します。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2,3 は、正しい選択肢です。
アレンドロン酸が出ていることから、骨粗しょう症であると考えられます。日常的な療法として適度な運動や、カルシウムを多く含む乳製品や緑黄色野菜の摂取が推奨されます。

選択肢 4 ですが
ビスホスホネート製剤は服用後、最低30分は横にならないように指導します。(これらは、食道などへの薬の残留を防ぐためです。)従って、就寝前では、ありません。服用を忘れた場合は翌朝の起床時に飲むように指導します。

以上より、正解は 2,3 です。

問225

選択肢 1 は、正しい選択肢です。

選択肢 2 ですが
骨細胞とは、骨芽細胞が基質を分泌して基質にとりこまれた状態になったいわば完成形の細胞です。分化しており、増殖能はありません。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
アルカリフォスファターゼは、骨芽細胞で産生される酵素です。破骨細胞では、ありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
副甲状腺ホルモンは別名パラトルモンです。破骨細胞形成を促進させます。骨吸収を促進し血中 Ca 濃度を上げるホルモンです。破骨細胞の働きを減弱させるわけではありません。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は、正しい選択肢です。

以上より、正解は 1,5 です。

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