問 題
45歳男性。下記の処方箋を保険薬局に持参した。薬剤師がインタビューしたところ、患者は「医師からはピロリ菌の一次除菌と聞いている」と回答した。
問202
処方監査による判断として、正しいのはどれか。1つ選べ。
- 1日1回朝食後を1日1回朝食前に変更する。
- 1日1回朝食後を1日1回夕食後に変更する。
- それぞれの薬剤の1日量を2倍にして、1日2回朝夕食後に変更する。
- 7日分を3日分に変更する。
- 7日分を14日分に変更する。
問203
ヘリコバクター・ピロリ菌の感染診断には尿素呼気試験法が用いられる。この方法は、13Cで標識した尿素を服用し、ピロリ菌が持つウレアーゼ活性で生じる呼気中の二酸化炭素を赤外吸収スペクトル法で検出するものである。これに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 赤外線は紫外線よりも短波長である。
- 赤外線は分子振動によって双極子モーメントが変化するときに吸収される。
- 赤外吸収スペクトル法では、紫外可視吸光度法とは異なり、ランベルト-ベール(Lambert-Beer)の法則が成立しない。
- 13CO2の逆対称伸縮振動は12CO2と比べ低い波数側に検出される。
- 12CO2の測定には2350cm-1付近の吸収が用いられ、これは指紋領域に含まれる。
正解.
問202:3
問203:2, 4
解 説
問202
ピロリ菌の一次除菌なので「1日2回」、「7日分」のはずです。実習中に一度は見たと思われるランサップのシートなどを思い出すとよいと考えられます。
以上より、問202 の正解は 3 です。
問203
選択肢 1 ですが
赤外線の方が、長波長です。よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 は、正しい選択肢です。
赤外線は、振動に対応、と覚えておくとよいです。
選択肢 3 ですが
ランベルト-ベールの法則は成立します。すなわち A = kcl が成り立ちます。このことから
「定量分析」ができることを意味します。つまり、どのくらいの量あるかを吸光度の大きさから分析できるということです。よって、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 は、正しい選択肢です。
原子が重い → 振動数が減る → 対応するエネルギーが小さくなる → 波数が小さいほど、エネルギーは小さいと考えるとよいかと思います。知識としては「質量が大きくなると、振動数が小さくなる」という部分を覚えておけばよいかと思います。
選択肢 5 ですが
赤外吸収において、指紋領域とは、大体 1500 ~ 400 cm-1 ぐらいの所です。CO2 の測定に
2350cm-1 付近の吸収を見るというのは、正しい記述です。よって、選択肢 5 は誤りです。
以上より、問203 の正解は 2,4 です。
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