薬剤師国家試験 第101回 問183 過去問解説

 問 題     

42歳女性。身長161cm、体重51kg。既往歴及び喫煙歴なし。月経困難症のため、近隣の婦人科を受診し、ドロスピレノン・エチニルエストラジオールの配合剤が処方された。

薬剤を服用しはじめてから数ヶ月後に、かかりつけ薬局の薬剤師に「急に息切れがし、胸が痛くなった」と電話による相談があった。薬剤師は、安全性速報で注意喚起されているこの配合剤の副作用であると推定し、服用を中止してすぐに救急医療機関を受診するよう指導した。

この副作用はどれか。1つ選べ。

  1. 急性心筋塞
  2. 不整脈
  3. 狭心症
  4. 肺塞栓症
  5. 気胸

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

ドロスピレノン・エチニルエストラジオールの商品名は、ヤーズです。血栓症による副作用に関して安全性速報が出されました。

以上より、正解は 4 です。

血栓症のリスクがある医薬品に関して「手足のまひ、しびれ」、「しゃべりにくい」、「痛みや呼吸困難」 といった急激な、いつもと違う症状が見られたら放置せず、ただちに連絡 をするように説明を行います。患者さん自身や、家族が副作用の初期症状を理解することで、副作用の重篤化を避け薬による利益を最大限に享受することができます。

本症例のように、服用を開始して数ヶ月場合によっては数年後に副作用が表れることもあることから服薬指導、薬学的管理を継続的に行う意義があるといえます。

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