薬剤師国家試験 第101回 問133 過去問解説

 問 題     

ある乱用薬物について、呈色反応に基づく簡易検査を行ったところ、以下の構造を有する化合物が生成し、アルカリ性条件下で赤色を呈した。この乱用薬物はどれか。1つ選べ。

  1. アンフェタミン
  2. メタンフェタミン
  3. メトカチノン
  4. MDMA
  5. 4-メトキシアンフェタミン

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

図の構造は p – ニトロベンゼンジアゾニウムクロライドとの反応により生じる物質です。アンフェタミンの試験法です。従って、正解は 1 です。

ちなみに、この反応を知らなかった場合でもアンフェタミンが 1 級アミン で、メタンフェタミン、MDMA が共に 2 級アミンであること は、必須の知識です。さらに、2級アミンに反応する簡易検査法である シモン反応は過去問でも繰り返し出ています。

そこで「もしもこの反応がシモン反応だと、2級アミンが選択肢に複数あるから1つには決まらないはずだ。」→「構造上の特徴として、第何級アミンかぐらいしかポイントはないはず」→「1級アミンである アンフェタミンに特有の検査法 の結果なんだろう」(メトカチノンはよくわからないけど1級アミンではないと信じよう。)と推測することで選択肢 1 を選ぶことができるのではないかと考えられます。(正直、そうしないと無理じゃないかと思います。この検査法、聞いたことなかったし。。。)

また、メトカチノンとは、メタンフェタミンの β-ケトン体 です。

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