薬剤師国家試験 第106回 問163 過去問解説

 問 題     

呼吸器系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. オキシメテバノールは、アドレナリン β2 受容体を刺激することで、気管支平滑筋を弛緩させる。
  2. カルボシステインは、ムコタンパク質中のジスルフィド (S-S) 結合を開裂することで、痰の粘性を低下させる。
  3. ジメモルファンは、延髄の咳中枢を抑制することで、咳反射を抑制する。
  4. ブロムヘキシンは、アンブロキソールの活性代謝産物で、肺サーファクタントの分泌を促進する。
  5. ジプロフィリンは、ホスホジエステラーゼを阻害してサイクリック AMP (cAMP) 濃度を増加させることで、気管支平滑筋を弛緩させる。

 

 

 

 

 

正解.3, 5

 解 説     

選択肢 1 ですが
オキシメテバノールは麻薬性鎮咳剤です。β2 刺激薬ではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
カルボシステインは、痰中のシアル酸とフコースの構成比の調節により分泌細胞を正常化させたり気道粘膜の修復を行ったりする去痰薬です。ジスルフィド結合開裂ではありません。よって、選択肢 2 は誤りです。

(103-157)。

選択肢 3 は妥当です。
ジメモルファンは非麻薬性鎮咳薬です。

選択肢 4 ですが
アンブロキソールは、ブロムヘキシンの活性代謝物です。肺サーファクタントの分泌を促進します。(103-157)。「ブロムヘキシンは、アンブロキソールの活性代謝産物」ではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は妥当です。
ジプロフィリンは、アデノシン受容体阻害薬ならびにホスホジエステラーゼ阻害薬として作用します。

以上より、正解は 3,5 です。

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