薬剤師国家試験 第106回 問15 過去問解説

 問 題     

真菌に関する記述として、正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. 原核生物である。
  2. 芽胞を形成する。
  3. 細胞壁の主成分はセルロースである。
  4. コレステロールを合成する。
  5. 80Sリボソームを有する。

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

選択肢 1 ですが
真菌は真核生物です。(97-12)。原核生物ではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
芽胞は耐久性の高い細胞構造です。一部の細菌が芽胞を作ります。真菌は「胞子」を作りますが、芽胞とは区別されます。従って、真菌は芽胞を形成するとはいえません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
真菌の細胞壁の主成分は、βーグルカンの中でも、β-1,3-グルカンや、β-1,6-グルカンです。セルロースは、β-1,4-グルカンです。植物細胞の細胞壁の主成分として知られています。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
真菌細胞膜の構成要素として、エルゴステロールが知られています。コレステロールではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は妥当です。
リボソームについて、真核生物は 80S (60S+40S) です。単純な和にならないのは、S が沈降速度を表すからです。

以上より、正解は 5 です。

コメント