薬剤師国家試験 第105回 問268-269 過去問解説

　問 題　　　　　

65歳男性。花粉症のため近医を受診した。医師が服用中の薬について確認したところ、以下の処方による治療を受けていることがわかった。そこで、医師は地域連携の会議等でよく顔を合わせている薬剤師に電話して、抗アレルギー剤の選択について相談した。

問268

以下の抗アレルギー剤のうち、処方を避けることが望ましい薬剤として、医師に伝えるのはどれか。1つ選べ。

1. アゼラスチン塩酸塩錠
2. エバスチン錠
3. ケトチフェンフマル酸塩錠
4. ジフェンヒドラミン塩酸塩錠
5. レボセチリジン塩酸塩錠

問269

その薬剤の処方を避けることが望ましい理由として、適切なのはどれか。1つ選べ。

1. テルミサルタンの血漿タンパク結合を阻害するため。
2. テルミサルタンの代謝を阻害するため。
3. 沈降炭酸カルシウムへの吸着により、その薬物の薬効が減弱するため。
4. 肝機能障害患者では、その薬物の活性代謝物への代謝が抑制されるため。
5. 腎機能障害患者では、その薬物の高い血中濃度が持続するため。

 

 

 

 

 

　解 説　　　　　

問268

問 269 と合わせて解説します。

問269

処方に沈降炭酸カルシウム錠があるため、腎不全がかなり進行しています。

問 268 の選択肢の中で
レボセチリジン（ザイザル）は、クレアチニンクリアランスに応じて投与量の調節が必要です。そして、重度の腎障害患者への投与は禁忌です。代替薬もあることをふまえると、レボセチリジンを避けることが望ましいと考えられます。

以上より
問 268 の正解は 5 です。
問 269 の正解は 5 です。