薬剤師国家試験 第105回 問139 過去問解説

 問 題     

大気汚染物質の測定方法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. トリエタノールアミン・パラロザニリン法は、大気中の硫酸ミストを測定する方法である。
  2. 一酸化炭素の自動連続測定には、溶液導電率法が用いられる。
  3. ザルツマン法による窒素酸化物の測定では、NO2はザルツマン試薬と直接反応しないため、NOに還元してから測定する。
  4. 中性ヨウ化カリウム法でI2を遊離する大気汚染物質は、オゾンなどの酸化性物質である。
  5. 浮遊粒子状物質の測定には、10μmより大きい粒子を除去する分粒装置が用いられる。

 

 

 

 

 

正解.4, 5

 解 説     

選択肢 1 ですが
トリエタノールアミン・パラロザリニン法は、「SOx」の測定法です。「硫酸(H2SO4)ミスト」の測定法ではありません。よって、選択肢 1 は誤りです。(100-139)

選択肢 2 ですが
溶液導電率法では、吸収液に H2O2 を用います。これにより、空気中の 「SOx」 を、H2SO4 に酸化します。その結果、溶液中に SO42- が増加し導電率の変化として測定されます。「一酸化炭素」の測定法ではありません。よって、選択肢 2 は誤りです。(100-139)

選択肢 3 ですが
ザルツマン試薬は、NO2 に反応しますが、NO とは反応しません。従って「一酸化窒素」を「二酸化窒素」に「酸化」しなければなりません。「NO2 を NO に還元してから」ではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。(104-134)

選択肢 4,5 は妥当な記述です。

以上より、正解は 4,5 です。

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