薬剤師国家試験 第102回 問158 過去問解説

 問 題     

高血圧症治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. プロプラノロールは、傍糸球体細胞からのレニン分泌を抑制する。
  2. アリスキレンは、アンギオテンシンⅠの産生を抑制する。
  3. カプトプリルは、一酸化窒素(NO)の産生を抑制する。
  4. カンデサルタンは、アンギオテンシンⅡの産生を抑制する。
  5. エプレレノンは、アルドステロンの分泌を抑制する。

 

 

 

 

 

正解.1, 2

 解 説     

選択肢 1 は、正しい選択肢です。
プロプラノロールは、β遮断薬です。

選択肢 2 は、正しい選択肢です。
アリスキレンは、直接的レニン阻害薬です。レニンは、アンジオテンシノーゲン→アンギオテンシンⅠ の反応を触媒する酵素です。このレニンを、アリスキレンは阻害するのでアンギオテンシンⅠの産生が抑制されます。

選択肢 3 ですが
カプトプリルは、ACE阻害薬です。NO 産生阻害では、ありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
カンデサルタンは、ATⅡタイプ 1 受容体拮抗薬 (AT1 受容体拮抗薬) です。産生抑制では、ありません。ちなみに Ang Ⅱ の産生を抑制する というのは、いいかえれば ACE を阻害すると表せます。従って、ACE 阻害薬に関する記述です。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
エプレレノンは、K 保持利尿薬 もしくは アルドステロン拮抗薬 と呼ばれる薬の一種です。アルドステロン受容体拮抗薬ですのでアルドステロンの分泌を抑制するわけではありません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1,2 です。

コメント

  1. 歯(し)がある薬4年生 より:

    ATⅡ受容体拮抗薬⇒ATⅠ受容体拮抗薬だと思います。
    下手な参考書より、ポイント明示で、よっぽどタメになります。
    こちら様と国試過去問だけで十分な感じです。

  2. 歯(し)がある薬4年生 より:

    追記:ATⅡの産生⇒AngⅡの産生だと思います。

  3. kazupiko より:

    解説該当部分修正いたしました。
    ご指摘ありがとうございます!