薬剤師国家試験 第102回 問153 過去問解説

 問 題     

副交感神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. ピペリドレートは、アセチルコリンM2受容体を選択的に遮断して、胃酸分泌を抑制する。
  2. オキシブチニンは、アセチルコリンM3受容体を遮断して、膀胱平滑筋収縮を抑制する。
  3. ネオスチグミンは、コリンエステラーゼを可逆的に阻害して、手術後の腸管麻痺を改善する。
  4. トロピカミドは、アセチルコリンM3受容体を刺激して、瞳孔括約筋を収縮させる。
  5. シクロペントラートは、毛様体筋のアセチルコリンM1受容体を刺激して、シュレム管を開放する。

 

 

 

 

 

正解.2, 3

 解 説     

選択肢 1 ですが
ピペリドレートは、抗コリン薬です。流産・早産防止や、鎮痙剤として用いられます。ちなみに、胃酸分泌を抑制するのは、M1 選択的受容体遮断薬です。代表例は、ピレンゼピンです。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2,3 は、正しい選択肢です。

選択肢 4,5 ですが
共に抗コリン薬で、散瞳薬です。瞳孔括約筋を弛緩させます。抗コリン薬だから、受容体を「遮断」します。よって、選択肢 4,5 は誤りです。

以上より、正解は 2,3 です。
参考)薬理学 2-2 2)

コメント