問 題
下図は、死因別にみた死亡率の年次推移を、1947年から2014年まで示した結果である。各死因の死亡率の変遷の理由について正しいのはどれか。2つ選べ。
- ①の死亡率の上昇には人口の高齢化は関与しない。
- 1995年前後に②の死亡率が急激に減少し、④の死亡率が増加したのは、国際ルールの変更により、死因の統計処理法が変わったことによる。
- ③の死亡率が1980年代から増加してきたのは、新しい種類の③として、抗菌剤が効かない新興感染症が急速に増えたためである。
- ④の死亡率が1970年代から減少傾向にあるのは、食生活の変化によってカルシウムの摂取量が増えたことが主要な要因と考えられる。
- 1950年まで死因のトップであった⑤の死亡率が激減したのは、新たな治療薬などの医療の進歩、衛生水準の向上や栄養状態の改善によるところが大きい。
正解.2, 5
解 説
①~⑤はそれぞれ、①:悪性新生物、②:心疾患、③:肺炎、④:脳血管疾患、⑤:結核 です。
選択肢 1 ですが
高齢化に伴い、がんでの死亡者数は年々増加しています。よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 は、正しい選択肢です。
選択肢 3 ですが
これは肺炎についての記述と考えられるため「新興感染症」ではありません。新興感染症とは近年初めて認知され、かつ公衆衛生上問題となるような感染症のことです。具体的には、SARS などです。よって、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 ですが
脳血管疾患と食生活の関連としては、摂取タンパク質量が増えたことで、血管が丈夫になった点が指摘されています。したがって、Ca の摂取量は関係ありません。
選択肢 5 は、正しい選択肢です。
以上より、正解は 2,5 です。
コメント